高天神城 徳川と武田が取り合った一城別郭

高天神城遠景 北陸・東海

今回は、武田氏が苦労して攻め落とした要衝の城、静岡県掛川かけがわ市の高天神たかてんじんじょうに行って参りました。

高天神城の概要

徳川方の小笠原氏が城主だったこの城は、武田信玄の攻撃に持ちこたえましたが、息子の勝頼が攻め落としました。しかし、徳川家康が5年かけて包囲し、天正9年(1581)に取り返しました。その後、城は再建されることなく廃城となりました。標高132mの鶴翁かくおう山に築かれたこの城は、東峰と西峰に分かれたいちじょう別郭べっかくと呼ばれる構造を持ちます。

用語解説

一城別郭・・・・・・二つのくる(城の平坦面を持つ一区画)が補完し合って一つの城として機能すること

イッセイ
イッセイ

断崖絶壁の地形を利用した、土塁や堀などの防御遺構を見ることができるよ。

しゃっちゃん
しゃっちゃん

武田信玄も実感した難攻不落を体感できるんだ!

二つの峰からなる高天神城、登城

JR東海道本線の掛川駅からしずてつバスで25分ほどで大東北公民館前に着きました。大東北公民館には続100名城スタンプがあります。ロッカーがなかったので、公民館の方のご厚意で荷物を預けてもらいました。登城ガイドブックを渡してくれたりと、親切な方たちでした!

公民館から歩いて登山口に向かいます。道中からは城を遠望することができました。

鶴翁山は急峻な小山で、この山の形からかく城という別名が付けられたそうです。なんとなく鶴が舞ってる形に見えますね?・・・・・・

15分ほどで登山口に着きました。登山口には鳥居が立っています。

鳥居を抜けてすぐ追手門跡があります。

ここが城の正面入り口でした。説明板などがあり、解説がわかりやすかったです。

追手門跡からはそこそこ急な山道が続き、15分ほど登って本丸に着きました。

東峰に本丸は位置し、北側から西側にかけて土塁が見えます。

本丸北の下段に下りると、なにやら洞穴のようなものが残っていました。

これは、おお内正局うちまさもとが幽閉されていた石窟です。大河内は最後まで武田軍に降伏しなかったため、7年に渡って幽閉されていました。救出後、家康に忠義をたたえられたそうです。過酷な世界を実感できますね。

次に、本丸から西峰へ向かいました。少し進むと、尾根のあん(尾根が中くぼみになった所)で東峰と西峰の境目にあたる井戸曲輪に出ます。井戸曲輪には、かな井戸がありました。

山城にとって必要不可欠な井戸を設けた水の手曲輪を築き、この深井戸で籠城中の命をつないでいました。

用語解説

水の手曲輪・・・・・・山城にとって重要な水を得る手段である井戸や湧き水、遊水池がある曲輪

少し急な階段を上ると、西の丸にある高天神社のお社に着きます。

高天神社は、城が機能していた間、城中守護の神社でした。城の兵たちは戦勝を祈願していたのでしょうね。

さらに、景色の良い南側へ続く道を少し歩き、馬場平に着きました。

昔、城の南側を見張るための番屋があったところと考えられている場所だそうです。そこには、展望台があり、馬場平からは遠州灘を一望できる絶景を楽しむことができます!

城の南側に遠州灘が広がり、意外と海が近いことに驚きました。これが、この城が要衝である理由なのかもしれません。

巨大な堀切と横堀

井戸曲輪に戻り、二の丸へ向かいました。二の丸から少し進むと、どう曲輪に着きます。そこには、袖曲輪との間に大きな堀切ほりきりがありました。

用語解説

堀切……曲輪の独自性を保つ目的や、尾根筋を遮断する目的で尾根筋を断ち切るように設けられた堀

昔は、上に木橋が架かっていたそうです。堀切は巨大な横溝のことであり、攻め手は一旦下がってから登ることになるため、手間がかかり防御性が高くなります。

また、堂の尾曲輪の西側には横堀があります。

用語解説

横堀・・・・・・等高線に沿って掘られた堀

この写真ではわかりづらいかもしれませんが、道の右側にある溝が横堀となっています。横堀は、曲輪を取り巻くように掘られています。

イッセイ
イッセイ

この横堀は、防御性の高い武田流建築を感じられる遺構となっているよ。

しゃっちゃん
しゃっちゃん

様々な防御の遺構を感じることができる城だね!

井戸曲輪に戻って、北側から城を下りていきました。北側は石段が整備されていて歩きやすかったです。城の北側の入り口となるからめ門から城を出ました。

信玄の高天神城攻めの時に、この場所で250人が守備したそうです。それだけの大人数が守ったということは、防御の上で重要な城の出入り口だったということがわかります。

今回は、武田信玄でさえも手強かった峰をまたぐ一城別郭の城に行けて良かったです。

参考:公益財団法人 日本城郭協会,(2018),『続100名城公式ガイドブック』,学研プラス. 千田嘉博,(2018),『一生に一度は生きたい日本の名城100選』,宝島社.

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