今回は、遠山氏が築き、守った、天然の巨石を石垣にした岐阜県中津川市の苗木城に行ってまりました。
苗木城の概要
この城は、遠山一雲入道昌利が築き、代々遠山氏が城主となりました。織田信長の死後、遠山氏の苗木城は森長可に攻められ、遠山友政は徳川家康の側につきます。関ヶ原の戦いの直前、友政は家康の命で苗木城を奪回し、徳川政権下で城主に復帰しました。高森山に築かれたこの山城は、岩盤がそのまま利用され、それを補うように石垣が組み合わされています。天守などの建物は、岩に穴を開けて柱を建て、崖から斜面に突き出して築く懸造です。
巨岩などの地形を利用した城になっているんだ!
その通り。複雑な地形を懸造によって巧みに有効活用したんだ。
苗木城を遠望
まず、城へ向かう途中で、木曽川に架かる城山大橋から苗木城を遠くから見ました。
苗木城は、木曽川に突出した急峻な標高432mの高森山に築かれた天然の要害です。地形に守られていることがわかります。
苗木遠山史料館
続いて、城の麓にある苗木遠山史料館に向かいました。
遠山氏の資料と苗木城について展示しています。入館料は、2023年現在、一般300円、中学生以下無料でした。続100名城スタンプはここに置いてあります。中には苗木城の模型や唯一残された大手門である風吹門の柱と門扉を移築保存していました。
いろいろな資料があって、面白かったです。それでは、城を登っていきます。
遠山氏の巨石の城、苗木城登城
史料館から少し登ると、足軽長屋跡に着きます。そこは、苗木城絶景ビューポイントになっています。
むき出しの岩盤や、巨岩と一体化した石垣は見ごたえがあるね!
昔は懸造で岩盤の上に様々な建物が建てられていたんだよ。
さらに少し歩くと、風吹門跡に着きます。
そこは、大手門のようなものです。
風吹門跡の横には大矢倉跡があり、さらに進んでいきます。残されたのは石垣のみですが、本丸、大矢倉、風吹門など、建物のあった配置は分かりやすいです。大門跡から急な登り坂が続きます。少しきつかったです。大門跡から5分ほどで天守台に着きました。
迫力ある天守台は、山頂にむき出している巨大な岩盤を土台として築かれました。天守台には推定復元された天守の骨組みとして天守展望台が築かれました。岩に穴を開けて柱を建てる懸造の天守と同じく、違う長さの柱を組んで天守展望台を平らにしています。
天守展望台からの景色はまさに絶景でした!
眼下を流れる木曽川は清涼な感じでした。木曽川の向こうには中津川の市街地があり、さらに遠くには恵那山が見えました。
さらに向こうには信州の山々が連なって見えます。
山上からは大矢倉跡も見えます。
17世紀半ばに新しく造られた大矢倉は、苗木城内最大の建物でした。大矢倉周辺の岩と組み合わせた石垣は素晴らしいです。
少し下りると、馬洗岩があります。
天守台跡の南下にある大きな岩です。昔、苗木城が攻められ、水の手を切られたときに、この岩の上に馬を乗せ、米で馬を洗い水が豊富であるかのように敵を欺いたことが名前の由来です。このような大きな岩が城内にあり、城を形作っていることがわかります。
岩盤を利用した絶景の城に行けて良かったです。
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